「部長になりたい」「年収1,000万円を超えたい」──
そんなキャリアゴールを掲げて走ってきたビジネスパーソンは少なくないはずです。
けれど、達成のその先にふと立ち止まったとき──
「自分はどこへ向かっているのか?」
「本当に手に入れたかったものは何だったのか?」
そんな問いが浮かぶことはないでしょうか?
キャリアにおいて「登る」ことは、確かに成長や達成感を与えてくれます。
年収、役職、上場──それらは目に見える成果であり、自分の軌跡として語りやすい。
ただ、登り続けること自体が目的化してしまうと、
本来「なりたかった自分」や「手に入れたかった充実感」が置き去りになることもあります。
気づけば、山の頂に立ってはいるけれど、
「この先、どこへ向かえばいいのか分からない」。
そんな感覚に苛まれる人も少なくありません。
キャリア(Career)の語源は「轍(わだち)」──
つまり、“これまで自分が歩んできた道”を意味しています。
ゴールや目的地にばかり目を奪われがちですが、
本当に大切なのは、「これまでどんな道を、どういう気持ちで歩いてきたか?」という視点です。
その道は、自分らしかったか?
心が動く瞬間はあったか?
その歩みのなかに、自分の価値観や喜びの源泉が必ずあります。
キャリアを味わうとは、山を登り続けることだけではありません。
むしろ大切なのは、一度立ち止まり、これまで歩んできた道を山頂から見渡してみること。
「ああ、こんなところで喜びを感じていたんだ」
「あのときの決断は、自分らしかったな」
そんなふうに、“過去の選択の意味”を再発見することができたとき、
未来への選択も変わっていきます。
目指すべきは、より高い山ではなく、自分が自分らしく歩ける道を見つけていくこと。
「しっくりくる」「納得できる」──
そんな感覚を大切にしたキャリアこそが、自分だけの“ゴールの形”をつくります。
数値や役職で測れるゴールではなく、
「心の安定感」や「人生全体の幸福感」といった、測れない価値が、むしろ本質なのかもしれません。
キャリアとは、どこまで登ったかではなく、どう歩んできたか。
山頂から降りるように、これまでの道を見下ろしてみたとき、
本当に目指したい未来が、違った形で見えてくるかもしれません。
あなたは、どんな道を歩いてきましたか?
そしてこれから、どんな歩みを重ねていきたいですか?
キャリアセッションでは、登るべき山を探すのではなく、
“これまでの道のり”の中に眠るあなたらしさを言葉にし、
しっくりくる次の一歩を見つけるお手伝いをしています。