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2025.07.11

「人が選ばれる時代」から、「人が選ぶ時代」へ

労働人口減少と“自分らしいキャリア”の関係性

近年の就職市場では、空気が大きく変わっています。
「企業が人を選ぶ」のではなく、「人が企業を選ぶ」時代へ。
その背景には、労働人口の減少と早期離職の常態化という静かに進行する構造変化があります。

でも――選べる時代だからこそ大切なのは、「何を基準に選ぶのか?」という自分側の軸です。

労働人口は、静かに、確実に減っている

総務省統計局による2024年の「労働力調査」では、労働力人口は前年比で32万人増加(7,093万人)という結果でしたが、その内訳をみると以下の特徴が見えてきます。

  • 女性・高齢者の就業者数が増加
  • 男性労働者数は前年比4万人減少
  • 休業者は前年比6万人増加

つまり、全体数は増えていても、中核層である若年〜中年男性の減少傾向と、高齢化が同時に進行していることが分かります。
このまま進めば、2030年以降の労働市場は深刻な人手不足が現実となるでしょう。

(参照:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)平均結果の概要」)

働き手は「選ばれる側」から「選ぶ側」へ

この構造変化は、労働者の立場を根底から変えつつあります。
求人倍率は上昇を続け、2000年代に0.5前後だった有効求人倍率は、2024年には1.3倍を超える水準に達しています。

つまり、1人の求職者に対して1.3件以上の求人が存在する状態。
これは、求職者にとって“選ぶ余地”が広がっていることを意味します。

(参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年3月分および令和5年度分)」)
(参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「完全失業率・有効求人倍率の推移」)

企業は人材確保に苦労し、働き手は「自分に合わなければ辞める」選択が現実的になりました。
こうした環境は、早期離職という行動も“珍しくない”ものにしています。

自分を知らなければ、選べる自由も揺らいでしまう

自由に選べる環境は、とても魅力的です。
けれど同時に、「自分にとって本当に合う選択は何か?」が分からないままでは、
どれだけ選択肢があっても、また同じように迷い、また転職を繰り返すかもしれません。

だからこそ、

  • 自己理解を深めること
  • 企業や業界について丁寧に調べること
  • 自分の“キャリアの軸”を言語化すること

これらの準備が、選択の精度と納得度を大きく左右します。

「自分らしく働く」ために、選ぶ前に向き合う

求人が多く、職場を選べる時代だからこそ、
問われているのは「どこで働くか?」ではなく、
「何を大切にして働くか?」という問いです。

転職や離職のハードルが下がったいま、
“すぐ辞められる”自由と、“すぐ辞めたくならない”納得の差は、
自分自身との対話の質にあると、私たちは考えます。

まとめ

労働人口の減少により、今後も人材市場の変化は加速するでしょう。
早期離職は選択肢のひとつでありながら、本質的なキャリア形成を難しくする側面もあります。

だからこそ、外の環境がどうであれ、自分自身の“核”と向き合うこと。
そして、誰かの期待や不安ではなく、「自分らしい選択」を積み重ねることが、
これからの時代にふさわしい働き方なのではないでしょうか。

キャリアセッションは、その対話の時間を提供しています。
“選ぶ自由”のその前に、“自分を知る自由”を手に入れませんか?

2025年7月
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