「自分らしく生きたい」と願う人は多いですが、実際にその輪郭を描けている人は少ないように思います。
私自身、キャリア支援の仕事を通じて、「自分らしさとは何か」という問いに、何度も向き合ってきました。
そんななかで最近、改めて感じているのが「リズム」の大切さです。
たとえば、ある日ふと入ったカフェ。
外は小雨、店内は静かで、心地よい音楽が流れている。すると不思議と集中できて、読書も仕事も驚くほど捗る。
何気ないはずの環境の違いが、自分の行動や気分に影響を与えていることに、ふと気づかされます。
これはきっと、“その瞬間の自分のリズムと外のリズムが重なっていた”ということなのでしょう。
気温、空気、光の強さ、まわりの音、そして自分のコンディション──
その掛け算のなかに、私たちは「心地よさ」や「整い」を感じています。
それは、論理で割り切れるものではなく、むしろ身体感覚に近いものかもしれません。
キャリアや働き方を考えるとき、私たちはつい「目標」「年収」「肩書き」といったわかりやすい指標に目を向けがちです。
もちろんそれも大切です。
ただ、どれだけ条件が整っていても、自分のリズムと合わない働き方や環境では、長く心地よくは続けられない。
むしろ「自分に合ったリズムで働けているか?」という視点の方が、持続性や納得感のあるキャリアにつながるのではないかと思います。
では、自分のリズムをどう見つければよいのか。
それは、日々の「なんとなく心地よかった瞬間」に注目することから始まります。たとえば…
そんな「ささやかな違い」の積み重ねが、自分のリズムをかたちづくっていきます。
そして、これらを“なんとなく”の感覚で終わらせずに、できるだけ言語化しておくこと。
曖昧な感覚に名前をつけていくことで、私たちは自分のペースを意識的に選べるようになります。
私はこれを「人生のテンポを自分で調整する力」と呼んでいます。
リズムやテンポは、他人と比較するものではありません。
100人いれば100通りあっていい。
その“自分仕様”のリズムを大切にすることが、結局は「自分らしく生きる」ことの一歩目になるのだと感じています。
今の働き方や生活に、どこか違和感があるなら──
それは、あなたの本来のリズムとズレているというサインかもしれません。
あなたの「心地よい流れ」は、どんなリズムですか?
キャリアセッションでは、そうした感覚に丁寧に寄り添いながら、
“自分のリズム”を一緒に見つけていく対話の時間を大切にしています。