「出世の秘訣って何ですか?」
働く人なら一度は考えたことがある問いでしょう。私自身も長くサラリーマンとして過ごし、年収や役職という“わかりやすい物差し”に振り回された経験があります。正直に言えば、やっぱり結果を出したいし、認められたい。それが働く人の本音ではないでしょうか。
若手社員の一言が教えてくれたこと
以前勤めていたスタートアップで、20代にして目まぐるしく出世していった若手社員がいました。彼に「どうしてそんなに頑張れるの?」と尋ねたところ、返ってきた答えはシンプルでした。
「必要とされていることを、一生懸命やり続けただけ。頑張ったという実感はあまりないんです。」
この言葉には深い示唆がありました。評価される人の共通点が、そこに凝縮されていたのです。
多くの人は「評価されたい」と思って努力します。しかし期待が裏切られると、落胆してモチベーションを下げてしまうことも少なくありません。大切なのは、結果を意識しすぎず、目の前の課題に全力で向き合い続けること。この「やり続ける精神力」こそが、信頼を積み重ねていく源泉になります。
「自分が組織に貢献してやっている」という感覚ではなく、「仲間から必要とされている」という実感を持てるかどうかが重要です。感謝され、受け入れられる経験は、自分の存在意義を確認する力になります。これをメタ認知できる人は、結果的に信頼を集め、次のチャンスを引き寄せていきます。
「この案件は自分にメリットがあるか?」と打算的に判断してしまうと、知らず知らずのうちに仕事の質は下がります。逆に、今この瞬間にできる最善を尽くすことに集中すれば、成果は後から自然とついてきます。評価する側が「この人は本物だ」と感じるのは、そんな“無欲の全力”から生まれるのです。
結局のところ、出世する人に共通するのは「やり続ける力」「必要とされることに応える姿勢」「結果に縛られず向き合う姿勢」。どれも派手さはありませんが、確実に評価へとつながる本質です。
出世の極意を一言で表すなら──
「誠実に、今ここで必要とされることをやり続ける力」。
もしあなたが「もっと評価されたい」「次のステージに進みたい」と思っているなら、この3つを自分に問い直してみてはいかがでしょうか。