リモートワーク、フレックス、ワーケーション。
多様な働き方が広がり、私たちはこれまでよりも自由に「働き方」を選べる時代を生きています。
けれど、その自由の中で、
「本当に自分らしい働き方って、どこにあるんだろう?」
と立ち止まる人も少なくありません。
この記事では、働き方改革によって広がった選択肢と、その中で私たちが見落としがちな“自分の基準”について、静かに考えてみたいと思います。
働き方改革は、コロナ禍を機に一気に加速しました。
テクノロジーや制度が後押ししたことで、柔軟な働き方は当たり前になりつつあります。
たとえば、有給取得率は令和に入ってから上昇を続け、2023年には62.1%に達しました。
かつて「自由な働き方」は理想でしたが、今ではある程度“整備された前提”になっています。
参照:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/67-1.html
制度が整ってきた一方で、どこか“しっくりこない”という声もよく聞かれます。
「働きやすくはなったけれど、働きがいは見つからない」
「自由に選べるけれど、自分が何を選びたいのかが分からない」
便利さの裏で、自分の価値観や働く意味と向き合う機会が減っていることに、私たちは気づき始めているのかもしれません。
「働き方」を選ぶことは、「生き方」を選ぶことに近づいてきています。
そのためには、制度ではなく“自分の軸”から考える視点が必要です。
在宅か出社か。チームか個人か。
どんな場であれば、自分らしく力を発揮できるかを見つめ直すこと。
ワークライフバランスを保つのか、ワークライフブレンドを志向するのか。
自分の時間の使い方に納得できているかどうかがヒントになります。
「生活のため」以上に、その仕事がどんな意味を持つのか。
誰のために、どんな価値を届けているのか。
自分にとっての“働く理由”を言葉にできるかどうかが、やりがいを左右します。
今の選択が、5年後、10年後の自分にどうつながるか。
短期的な快適さだけでなく、長期的な納得感も視野に入れておきたいところです。
自由度が高くなった今だからこそ、選ぶ力の土台になるのは「自分を知ること」です。
誰かの理想をなぞるのではなく、自分の価値観や感覚に根ざした選択。
その積み重ねが、自分らしい働き方を形づくっていくのだと思います。
どんな制度があるかも大事。
でも、「どんな制度が自分に合っているのか?」と考える時間のほうが、もっと大切なのかもしれません。
働き方改革は、「選べる自由」を私たちに与えてくれました。
けれど、自分らしい働き方を見つけるには、そこからもう一歩踏み込んで、
「自分にとっての納得感とは何か?」を問い直すことが求められています。
正解があるわけではありません。
けれど、自分と向き合う時間が増えるほど、その選択はきっと、しっくりくるものになるはずです。
【参照元】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/67-1.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html