株式会社エンセッションは、キャリアに悩む社会人280名を対象に実施したアンケート調査をもとに、働き方や意思決定に関するリアルな実態を明らかにしました。今回の調査では、キャリアの悩みが長期化しやすく、相談相手も見つけられないまま思考が止まり、行動に移れないという「静かな孤独」の構造が浮き彫りになりました。
「キャリアについて悩み始めてから、どのくらいモヤモヤが続きましたか?」という設問では、「1年以上」が43.9%で最多。一方で、「3ヶ月未満」は13.6%、「1ヶ月未満」は11.1%と、比較的短期間で解決した人は約20%にとどまりました。
多くの人が違和感や不安を長期にわたって抱え続けている実態が見えてきました。
「その悩みを解決するために、どんな選択肢を考えましたか?」という設問では、「転職(42.5%)」が最多。次いで「スキルアップ(24.3%)」「副業をはじめる(22.1%)」「今の職場で環境を変える(20.0%)」と続きます。
注目すべきは、副業や独立を検討したのは男性が多い傾向にありました。
「最終的にどの選択をしましたか?」という設問では、「転職(30.4%)」が最多。
一方で「何もせず様子を見た(23.9%)」という人も多く、選択肢は検討しても実行に至らない構造が浮き彫りに。
副業やスキルアップについても、検討率に比べて実行率は低く、“意思決定から行動”の間に壁があることがうかがえます。
「キャリアの悩みを誰に相談しましたか?」という設問では、「家族(32.9%)」が最多、続いて「友人・同僚(20.4%)」「上司・職場の先輩(16.4%)」と、身近な人への相談が中心となっていることがわかりました。
一方で、「誰にも相談しなかった(36.4%)」という回答も3人に1人にのぼり、無視できない割合です。
「相談先がわからない」「相談すること自体にためらいがある」など、悩みを一人で抱え込んでしまう構造が見え隠れしています。
また、【3】にて最も多く実行されたアクションが「転職(30.4%)」だったのに対し、こちらでは「転職エージェントに相談した」と回答した人は7.5%にとどまっており、実行されたアクションと相談先との間にギャップがあることが明らかになりました。
「相談した結果、悩みはどう変化しましたか?」という問いでは、「完全に解決した」はわずか8.4%にとどまりました。
「少しは解決したがまだ不安(38.2%)」
「ほとんど変わらなかった(20.8%)」
「相談したことで悩みが深まった(5.1%)」
を合わせると、実に6割超が“モヤモヤを抱えたまま”という状態であることがわかります。
「相談=解決」とは限らない現実。それは、相談内容の複雑さや、相談先の専門性の限界を示唆しているのかもしれません。
「もし費用や手間を気にせず相談できるなら誰に相談したいか?」という問いでは、
「キャリアコーチ・メンター(12.8%)」「転職エージェント(13.9%)」が上位に浮上。
一方で、実際の相談先として多かった「家族」「友人・同僚」は大きく減少し、「誰にも相談したくない(28.2%)」が最多となりました。
このギャップからは、「本当は専門家に相談したい。でも現実にはアクセスできていない」という切実な現状が見えてきます。
今回の調査を通して浮かび上がったのは、「悩んでいるのに誰にも相談できない」「相談してもスッキリ解決しない」といった、キャリアの悩みが“放置”されている実態です。
特に印象的なのは、
といった「構造的な孤立」と「相談・解決のギャップ」でした。
この背景には、「どこに相談すればいいのかわからない」「一時的なアドバイスでは解決できない」「そもそも自分の悩みの正体がはっきりしていない」といった、“キャリアの不安”の複雑さがあるのかもしれません。
私たちが提供する『キャリアセッション』は、キャリアの“正解”を押しつけるのではなく、「しっくりこない感覚」に耳を傾けるところから始める、思考と対話のプロセスです。やりたいことが明確でなくてもいい。今すぐ飛び出すのか、留まるのかを決められなくてもいい。大切なのは、自分の核に触れるような対話の時間を、一度しっかり取ってみること。もし、今回の調査で見えてきたような「悩みの抱え込み」や「相談の戸惑い」に心当たりがあるなら、ぜひ私たちに一度、声をかけてみてください。