はじめに:なぜ「キャリアセッション」なのか?
なぜキャリアセッションを立ち上げたのか?
もう少し私の思いを書いてみたいと思います。
プロコーチとして数多くのクライアントと関わる中で、ある種の「もどかしさ」を感じることもありました。
気づきや感情の整理が進む一方で、「では、実際にどう動けばいいのか?」という問いの前に立ち尽くしてしまう。
内省だけでは超えられない壁に、何度も直面してきました。
国際資格を持つコーチとして、私自身は常に最高のコーチング体験を届けることを目指してきました。
それは、クライアントの内側にある想いや価値観に寄り添い、自らの力で答えを見出してもらうという、純度の高い支援です。
しかし同時に、「これはコーチングなのか? これはコーチングではないのか?」という定義や枠組みに、私たち提供者側が縛られてしまっているのではないかと感じる場面も増えていきました。
たとえば、「高橋さんだったら、どうしますか?」と聞いてもらえたなら、こちらの考えを正直に共有できる。
でも、そうではなくても明らかに「実行のヒントや指針を求めている」のが伝わってくる――そんな瞬間が少なくないのです。
そこで私の中に生まれたのが、
「コーチングの枠組みを超えた支援の形があってもいいのではないか」という問いでした。
この問いは、コーチングを外から批評するためのものではありません。
むしろ、ど真ん中でコーチングに関わってきた人間だからこそ、あえて新しい支援のあり方を模索する価値があるのではないか。
そう考えたのです。
従来のコーチングは1on1が主流です。もちろんそれは大きな価値を持ちます。
でも、キャリアという複雑で多面的なテーマにおいては、1人の視点では届かないことがあると感じています。
そこで私たちは、必要に応じて複数のコーチやエキスパートが関与できる仕組みを設けました。
たとえば、心理面に深く関わるコーチ、意思決定を伴走するコーチ、実行フェーズで現実解を提示できるプロフェッショナル。
それぞれが異なる視点を持ち寄り、連携しながらクライアントを支援していく。
まるで、患者の治療方針を話し合う医療チームのカンファレンスのように。
誰か一人の知見や技術だけでなく、複眼的な視点でキャリアという“生き方の選択”を支えていく。
それが、キャリアセッションの思想の核となっています。
私たちが本当に向き合いたいのは、気づきを与えることそのものではなく、その先の「実現」です。
それは、転職のようなわかりやすい行動だけでなく、
「このままでいいのか?」と悩んでいた人が、自分の言葉で納得のいく選択をすることも含まれます。
ときに内省を深め、ときに具体的なアクションを設計し、ときに専門家としての視点を差し出す。
そのすべてを、クライアントの“意思あるキャリア”のために統合する。
そのためなら、従来のコーチングの枠にこだわらなくてもいい。
そう思えるようになったとき、自然と一つの結論にたどり着きました。
ならば、自分自身で、その支援の形をつくってみよう。
それが、「キャリアセッション」という新しいサービスを立ち上げようと決意した瞬間でした。
「もっと自分らしい働き方を探したい」
「今のキャリアに違和感があるけど、どう動けばいいかわからない」
そんなときは、ぜひ私たちにご相談ください。