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2025.08.05

「足るを知る」という勇気──スーパーマン症候群から自分を解放するために

満たされない感覚と「足るを知る」という言葉

「足るを知る」という言葉に、私は何度も救われてきました。
もともとは「欲を抑え、今あるものに感謝して満足する心を持て」という意味で、禅や老子の思想にも通じる深い言葉です。

現代のビジネスパーソンにとって、この言葉は「焦りをほどく鍵」なのかもしれません。

スーパーマン症候群 「もっとできるはず」と自分を追い詰める心理

たとえば、「自分はもっとできる」「もっと成長しないと」という感覚。
これは一種の“スーパーマン思考”で、意外と多くの人が持っている感覚だと思います。かくいう私も一緒です。

確かにその気持ちは、自分を奮い立たせたり、行動を促す原動力にもなる。
でも、それが行きすぎると「自分への過信」につながっていく気がするのです。

自信と過信の境界線 チームや他者を見失うリスク

「自分がいないとこのチームは回らない」
「自分がやらないと成果が出せない」
「他の誰より自分が一番優れている」

そう思い込んだ瞬間から、他者を軽視し、視野が狭まってしまう。
結果として孤立し、信頼や協力といった“チームの力”が失われていきます。

カーネギーに学ぶ 自分を知り、他者と協働する重要性

私のバイブルの一つである『人を動かす』(デール・カーネギー)でも、こう語られています。

「人は、自分のことを重要な存在として認められたい生き物である」

自分を過大評価するのではなく、「足りない部分を受け止め、他者と補い合う」。
それが、組織における信頼や成果を生むのだと、この本は教えてくれました。

成長のスタートは“足るを知ること”から

人は成長を求める生き物です。
でも、その成長は“虚像の自分”からは始まらない。

自分の強さだけでなく、弱さを認める勇気。
これが「足るを知る」という姿勢であり、成長の本当の出発点です。

足るを知ることは、キャリアの処世術かもしれない

「足るを知る」とは、ただ慎ましくあるということではありません。
むしろ、いまの自分を正確に理解し、無理に完璧を目指すのではなく、人との関わりの中で自分の強みを活かしていく。
そんな、しなやかな処世術のようなものかもしれません。

自分一人で抱え込まず、必要なときは頼り、弱さにも向き合いながら進んでいく。
そうしてこそ、キャリアは「背伸び」ではなく、「地に足のついた成長」へとつながっていくのではないでしょうか。

2025年8月
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